フェロモンという言葉は、
ギリシャ語の「フェライン(運ぶ)」と「ホルマン(刺激する)」から作られた言葉です。
蛾のメスがオスを誘う行動がファーブルの昆虫記に書かれているとおり、
ずっと昔からメスにはオスを惹きつける何かがあると考えられていました。
その後、1950年代にカイコ蛾を使った実験で、
メスが発情期になると性フェロモンを分泌し、
オスがそれを感知してメスまでたどり着くことが分かり、
性フェロモンの正体が解明されました。
しかし、これはあくまでもカイコ蛾の話であり、
ヒトも鼻の奥にフェロモンを感じる器官を持っていると言われていますが、
実際のところ、人間に性フェロモンがあるかどうかについては、
研究者の中でもさまざまな意見があり、まだはっきり答えが出ていないようです。
そのため、加齢臭とフェロモンは同じですか?と聞かれることがよくありますが、
正直なところ、答えが分からない状態です。
フェロモンというと、異性を惹きつける特別なものというイメージがありませんか??
加齢臭が中年男性特有の臭いとして、一般的にはいいイメージをもたれていない一方で、
男性の加齢臭が好きだという女性がいるのも確かです。
ある興味深い研究がありました。その研究とは異性の好みは体臭で決まるというものです。
実験は、人種も年齢も異なる成人男性6人に48時間同じTシャツを着てもらい、
その成人男性たちの体臭のしみ込んだシャツの切れ端を49人の未婚女性に示し、
好ましいと思ったニオイのものを選んでもらうという方法で行われました。
そうした実験の結果、49人の未婚女性には、
自分と同じニオイの遺伝子を持っている異性を好む傾向が見られたのです。
加齢臭と体臭の関係についても、まだ明らかになっていませんが、
自分が好意を持っている相手の臭いを好きになることはあると思います。
その場合には、一般的にはいいイメージをもたれていない加齢臭の臭いも、
悪いイメージではなくなるわけです。
そう考えると、加齢臭とフェロモンにも何か関係があるような気がしてきますね。